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今だから考えたい「協働ロボットと安全」 第5回:協働ロボットのアプリケーションに必要な安全コンポーネント(後編)

By 協働ロボット.com 運営担当

 

協働ロボットBLOG、「協働ロボットと安全」を担当する鈴木です。第5回は前回に続いて「協働ロボットのアプリケーションに必要な、主な安全機器について」その後編です。

 

 

第5回:協働ロボットのアプリケーションに必要な安全コンポーネント(後編)

 

4.非常停止装置

 非常停止装置は、「発生している、または今にも発生しようとしている」緊急事態を回避するために人の意志で操作する安全機器で、機器の予期しない動作に対して人の反射動作により機械を停止させるイネーブル装置とは違う位置付けです。言い変えれば、人の意志で機械を停止させる最後の手段ということになります。

 多くの場合、非常停止用押ボタンスイッチとしてスイッチ形状のものが使用されています。

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非常停止用押ボタンスイッチ

 協働ロボットのアプリケーションとしては、ハンドガイド機能使用時の非常停止装置として使用することが要求されています。

 
5.ドアインターロック装置

 インターロック装置は、特定の条件(主にガードの開放)のもとで機械の危険な運転を防止するものです。

 

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ドアインターロック装置

  可動式ガードに放置され、可動式ガードを開放していることを確実に検知するためのドアインターロックスイッチがよく知られています。安全柵と組み合わせて機械の危険源との「時間的な隔離」を実現するために使用されてきました。機械式と非接触式があり、使用環境や使用目的に合わせて選択されます。

 協働ロボットのアプリケーションとして安全柵を使用する際の保守用開閉部においてドア開放を検知し、開放中はロボットの起動を防止するドアインターロックとして使用されます。

 

6.安全制御機能

 セーフティレーザスキャナー、ライトカーテンなどの安全機器からの安全情報と機械の始動命令の正常性を判断し、機械の起動を許可する機能です。

 この機能は、国際規格のISO13849-1やIEC62061に基づいて評価されます。この機能を実現した代表的なものに安全リレーモジュール、安全コントローラ、安全PLCがあります。

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安全リレーモジュールと安全コントローラ

 セーフティレーザスキャナやセーフティライトガーデンなどの安全機器を協働ロボットの検知装置として使用する場合、協働ロボットのシステムの安全機能に一般的に要求されるPL=d(カテゴリ3)またはSIL(ハードウェアフォールトトレランス1)で停止カテゴリ0または1を実現するために使用されます。

 複数の運転モードへの対応が必要となることと、システム規模が大きくないため、安全コントローラ規模でのシステム対応が多い状況です。

 

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