協働ロボットBLOG

ここまで変わった!構内搬送の新常識

第3回:データでみる、AGVに対する日本の現状と今後

By 協働ロボット.com 運営担当

「ここまで変わった!構内搬送の新常識」と題して、近年海外を中心に注目を浴び、次世代AGVとして国内でも導入が始まっている自律走行搬送ロボット・AMRについて、ロボットSIerの立場から皆様にご紹介させていただきます。第3回は「データでみる、AGVに対する日本の現状と今後」です。

AGV導入が進展、データでみる現在の日本。

一般社団法人日本産業車両協会は2021年12⽉に、「2020年 無⼈搬送⾞システム納⼊実績」を発表しました。
それによりますと、2020年は納⼊システム数が894システム、台数が2,888台となっています。国内向けは微増でしたが、輸出向けの減少による影響を受けました。


グラフをご覧頂けば一目瞭然ですが、リーマンショック後に一旦下降したものの、再び上昇に転じてからは、納入システム数、納入台数は順調に伸び続けています。21世紀に入って以降、AGVが国内で必要とされ続けてきたことが、このグラフの推移からもわかる気がします。

無人搬送車システム導入実績の推移_2021

http://www.jiva.or.jp/data.html

そのAGVの導入が日本国内で進む理由ですが、ESP総研の「2016年「AGV(無人搬送車)」ビジネス白書」に興味深い記載があります。

ESP総研によると、国内で注目される背景には、次のような複数の業種・業界(社会的ニーズ、市場ニーズ)にまたがる注目領域であるため、としています。

〈AGVに関連する業種・業界(社会的ニーズ、市場ニーズ)〉

・自動車業界における「自動運転」、
・サービス・ロボット分野における「自動・自律ロボット」、
・カメラ技術やセンサ技術の応用分野・キラーアプリケーション、
・電池の小型化・軽量化など「電源・エネルギー」、
・少子高齢化社会がもたらす労働人口減少、
・物流業界における人手不足、
・人による作業負担軽減・人の作業の代替

特定の分野にかぎらず、自動運転や自律ロボットの進化とともに分野横断的にAGVの開発シーンが広がってきているようです。また物流現場の人手不足や作業負担がAGV導入を後押ししているのは、昨今の時勢を表していて興味深いところではないでしょうか。

シンクタンクは、今後は非ガイド走行式AGV(AMR)の需要が高まると予想。

先の株式会社⽮野経済研究所は、2020年度のAGV市場を調査し、市場規模推移、参⼊企業動向、将来展望等を明らかにしています。
それによれば、2019年度は国内景気も好調でAGV/搬送ロボット市場規模は拡⼤傾向が続いており、メーカー出荷⾦額ベースで前年度⽐111.9%の188億1,500万円となりました。
その後は新型コロナ感染拡⼤の影響により、需要拡⼤にブレーキがかかる形となりますが、⾮ガイド誘導式の搬送ロボット(AMR)の販売が拡⼤することで、2020年度以降も微増で推移するものと予測されています。

AGV搬送ロボット市場規模推移・予測グラフ(矢野経済研究所調べ)_2020

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2507

まとめ

新型コロナ感染防止対策として、人の移動や接触を抑制するという効果から、AGVの導入がこれまで以上に進むことも想定できます。

次世代AGV、AMRの提供を通して、私たちも社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。次回、第4回は 「日本でAMRが注目される理由」です。AMRが注目される国内事情をさらに掘り下げてお伝えいたします。引き続きのおつきあい、よろしくお願いします。

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