「ここまで変わった!構内搬送の新常識」と題して、近年海外を中心に注目を浴び、次世代AGVとして国内でも導入が始まっている自律走行搬送ロボット・AMRについて、ロボットSIerの立場から皆様にご紹介させていただきます。第1回は「AGVとAMRの定義」です。
AGVをご存知ですか?
皆様はAGVをご存知でしょうか。
「AGV」はAutomated Guides Vehicleの略称であり、JIS D 6801では⽇本語として「無⼈搬送⾞」と呼んでいます。
JIS D 6801において、AGV(無⼈搬送⾞)は、「⼀定の領域において、⾃動で⾛⾏し、荷など⼈以外の物品の搬送を⾏う機能をもつ⾞両で、道路交通法に定められた道路では使⽤しないもの」と定義されています。⾛⾏する経路を⽰す誘導体によって分類され、種類としては電磁誘導式・光学誘導式・画像誘導式など、さまざまな⾛⾏⽅式があります。
無人搬送台車(ガイド式)
AGVからAMRヘの流れ
そんなAGVの中でも、誘導体を必要とせず、搭載されたセンサなどの情報から自己位置の推定を行うものが、一般的にAMR(autonomous mobile robot)とされています。日本語では、非ガイド走行方式AGVや自律走行搬送ロボットと呼ばれています。
多くのAMRは、レーザSLAM式を⾛⾏⽅式として採⽤しています。
SLAMとは、Simultaneous Localization and Mappingの略で、レーザSLAM式は、AMRに搭載されているレーザレンジファインダで壁や柱までの距離を計測し、周囲の環境地図を作成しつつ、その環境地図上での⾃⼰位置を推定する⽅式です。
そのため、AMRは、推定された⾃⼰位置から⽬的地までの経路を⾃動計算し⾃律的に⽬的地まで移動することが可能となり、これまでのAGVのように⾛⾏経路に誘導体を設置する必要がなくなりました。
その点が、従来のAGVとの決定的な違いです。
AGVとAMRの定義、ご理解頂けたでしょうか。次回は、AGVとAMRの違いについて、さらに詳しくご説明していきたいと思います。引き続きのおつきあい、よろしくお願いします。