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協働ロボット・フロントライン

〜協働ロボットのキープレーヤーに聞く〜

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特集 導入企業編 第1回

株式会社明和 代表取締役社長 兵藤義房 様

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自社で構築した複数台の協働ロボットによる製品組立自動化システム(ネジ締めにはROBOTIQデュアルスクリュードライバーを使用)

衝撃的だったROBOTIQのネジ締めソリューションとの出会い。
目処が立ち、組み立ての自動化に邁進する日々。

Q:御社の自動化の取り組みについて教えてください。

 取り組みを始めたタイミングは、同規模の会社としては結構早かったと思います。20年ほど前から積極的に自動化を推進してきました。創業以来の事業のベースとなっている「精密金属加工(板金・プレス・切削)部品の製造」では、単純な単軸ロボット活用に始まり、多関節ロボットの活用まで進化させてきています。時代を経るごとに使用する素材や業界のニーズが変わり、それに合わせて加工法を変える必要があったからです。機械装置を24時間フル活用することで収益を安定化できると考え、加工作業を中心に自動化を推進してきた経緯があります。

Q:協働ロボットの活用を始めた理由について教えてください。

 部品加工の自動化は、ある程度目処がたったため、次なるチャレンジとして組立作業の自動化に、いち早くチャレンジしました。 組立作業の自動化にあたっては、今後は人と協働する作業環境が必須になってくると見据え、安全柵なしで使用できる協働ロボットに着目しました。

 組立作業は、以下の作業要素の組み合わせとなります。

  • ・組付け部品のピッキング
  • ・位置決め、部品組付け(勘合組付けも必要)
  • ・ねじ締め
  • ・検査

 組立作業は加工機への部品投入、取り出し作業とは違い、複雑な作業要素となるため、協働ロボット以外に、ビジョンセンサなどの周辺機器との連携が必要です。協働ロボットの選定にあたっては、制御プログラムを高度に作り込む必要があるため、拡張性を重視しました。その観点で選んだのが、ソフトウェア開発がしやすく仕様がオープンになっているユニバーサルロボットです。

 また各作業要素の要件を満たすためには、3Dピッキングビジョン、ねじ締め装置、検査ビジョン、ロボットハンドなどの構成部品も必要となります。幸いこれまでの産業ロボットの活用経験があったため、要素技術検証を重ねて、複数の協働ロボット、3Dビジョンなどを組み合わせたシステムを構築できましたが、唯一、ネジ締めが仕様を満たせないという課題が残りました。

Q:ROBOTIQのネジ締めソリューションとの出会いについて、お聞かせください。

 十字ネジの締め付けはロボットで比較的簡単にできるのですが、当社が使っているものは六角穴付きボルトで、この締め付けがなかなか難しく、組み立ての自動化が進んでいませんでした。

 そんな中、たまたま出掛けた展示会でROBOTIQのネジ締めソリューションが動いているのを見かけ、ROBOTIQの方にお声掛けしました。その流れでIDECファクトリーソリューションズの協調安全ロボットテクニカルセンターへ訪問し、実機によるテストをお願いしたことがネジ締めソリューション導入までの経緯です。

 それまでも、六角穴付きボルトのネジ締めは日本のメーカの製品を使い、何度も挑戦していました。ですが、六角ネジですとすぐに角が取れてしまい、満足のいく結果を得ることができませんでした。メーカーに問い合わせても匙を投げているような状況です。ですので、はじめてROBOTIQのネジ締めを見た時は正直びっくりでした。さっそくテストをさせて頂いたところ、思った以上にうまく締め付けができました。これなら、組み立ての自動化が実現できると確信した次第です。

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協働ロボットを前に打ち合わせをする兵藤社長

Q:ROBOTIQのネジ締めソリューションのメリットをお聞かせください。

 まず何より、「できなかったことができる」という点が画期的です。それまで組み立てを自動でやること自体、想像ができませんでした。ネジ締めができないという状態で諦めていたのです。それが、試行錯誤を繰り返してみた結果、複数の部品を協働ロボットでピッキングし、ワークを組み立てるAssy(部品組み立て)がひと通りできるようになりました。直感で「これは自動化しても組めるな」と。それが現在の状況です。組み立てを自動化できる目処が立ったのです。

 とはいえ、まだ完成できているに過ぎない状況であることも間違いありません。この先、評価試験などを行い、バラツキとかがないように改善していく必要があります。本格的な運用までにはもう少し時間が掛かりそうです。

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