TOP / 特集 | 協働ロボット・フロントライン / 導入企業編第1回 株式会社明和
特集 導入企業編 第1回
かつて日本のデンマークと呼ばれた愛知県安城市。今なおその面影が残る地に、今回取材をさせていただく株式会社明和の本社がある。酪農で有名だった本国デンマークは、今や世界的な協働ロボットメーカーを産んだロボット先進国として知られるようになった。工場内にそのデンマーク発のユニバーサルロボットが何台も動いているのは単なる偶然だろうか。今回はそのユニバーサルロボットとROBOTIQのネジ締めソリューションを導入し、同規模の製造業から1歩も2歩も先をゆく製品組立自動化の取り組みを推進している、その背景と理由を兵藤社長にお聞きした。
大手自動車部品メーカーで培われた、技術者としての自動化マインド
Q:はじめに、自己紹介をお願いします。
株式会社明和の代表をしております兵藤義房です。子供の頃から私は、国語とか英語とかは全然ダメでしたが、理科や算数が得意でした。高校へ行くと、理数系科目といえば物理、化学になるのですが、私はどちらかというと物理が得意で、当時から動くものに興味を持っていました。家が鉄工所という環境で育ったせいかもしれません。いわば機械系の仕事ですので、大学も自然と工学部へ進学しました。
大学の工学部を卒業した後は、大手自動車部品メーカーに就職。自動車メーターの金型設計や生産技術の仕事に携わりました。高速プレス機を無人で動かす、最初から終わりまで一貫ラインで作ることをやっていました。その業務の中で、全自動と言いつつも、ある工程だけが手作業で残っており、画像処理技術を取り入れ自動化に取り組んだことが、その後自動化を追求していくきっかけになったようです。
Q:お父様が経営されていた会社に入社したのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
きっかけも何も、もう無理矢理です(笑)。30歳くらいの頃でしょうか。仕事の面白さもわかってきて、アメリカへ行きたいと思っていました。そんな矢先、父親から相談があり、「そろそろ明和へ入社しろ」と。話を聞いてみると、当時仕事を頂いていた機械製造の会社が組み立て機を製造することになり、その中の部品供給部分であるチップマウンターのフィーダーを試作から一手に引き受けたということでした。
ただ引き受けたのはいいものの、一人では到底無理で、私に手伝って欲しいとの話です。それが入社のきっかけです。 私自身は、自動車の部品製造に関しては経験を積んでいましたが、工作機械の製造に関しては素人も同然。その上に、当時チップマウンターそのものが世の中にもほとんど出回っていなかったため、海のものとも山のものともわからない状況でしたが、なんとか形にすることができ、その後の成長の基礎となりました。
株式会社明和 代表取締役社長 兵藤義房様
Q:入社された当時の明和はどんな感じだったでしょうか。
入社した当時の明和は、正社員が5人、パートが7人程度の小規模な鉄工所でした。足元に段ボールが置いてあり、そこに部品を入れていたような状況で、就業規則すらありません。自動化なんて、とんでもない話です。
唯一救いだったのは、社長が新しいもの好きだったこと。そんな小さな会社でありながら、当時持っている会社がほとんどないような、コンピュータで動く機械が1台、すでに導入されていました。