Co-bot frontline

協働ロボット・フロントライン

〜協働ロボットのキープレーヤーに聞く〜

特集 第7回

JAKA Robotics Japan株式会社 部長/Yanqi Wang

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誰もがロボットを身近な工具のように扱う。そのために我々ができること。

Q:JAKA製品について教えてください。

 JAKAの製品ラインナップとしては、Zuシリーズ、Zu Sシリーズ、Proシリーズ、そしてオールインワンシリーズです。

 日本市場も含めてグローバルでは、ほぼZuシリーズとProシリーズが、販売の中心です。
 力覚センサを取り付けたSシリーズは、安全に対して要求が高いお客様、また研磨とか仕上げとかの工程で精度の高さを要求されるお客様など、限られたお客様向けに開発した製品です。

 オールインワンシリーズは、2021年に販売を開始しました。お客様のニーズに合わせて新たに開発した、ミニロボットの上にビジョンをつけ一体化した製品です。ただ、現時点でオールインワンシリーズは中国市場のみの展開で、日本国内では販売していません。

Q:JAKA製品の強み、独自性は、ほかの協働ロボットと比べてどのあたりにあるのでしょうか。

 JAKA製品の特長のひとつ目は「オフラインティーチング」です。自社開発のソフトを使い、選択式で色々な国の言語に対応できます。

 もうひとつは「スクラッチ方式」です。昔のロボットのイメージは、大手の産業ロボットメーカーのように、専用の知識を持っていないと触ることができないティーチングでした。それに対して、JAKAは一般の現場レベルの担当者でも独自のソフトを使って簡単にティーチングできるよう開発しています。スクラッチ方式をいちばん最初に使ったのはJAKA社です。その後に競合他社が追随しました。なぜスクラッチ方式にできたのかという点ですが、導入して頂いたお客様の生の声を聞いたことから可能になったのです。

 参考までにひとつの例を紹介します。2021年、中国内のトヨタのある工場で先方の責任者に言われたことが印象的です。「中国の現場作業者のほとんどは、中学高校レベルの知識しか持っていません。JAKAを導入することにより、そんな彼らでもある程度の教育を受ければ技術を高めることができました。それだけでなく、生産性も上がったのです。現場の積極性もガラリと変わりました。自らティーティングできるようになったことで、自分事として取り組むことができるようになったからです」と。

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JAKAの製品ラインナップ

Q:低価格であることもJAKA製品の特長かと思いますが、その点はいかがでしょうか。

 先ほども少し触れましたが、JAKA製品が低価格を実現できている理由についてご説明します。低価格で提供しているのは、まずは拡販のためです。市場での指名率を高めたい、そのために絶えず全体のコストを抑える努力をしています。

 特に完成品の前工程、仕入れをするときにメーカーと交渉し、大量に購入しています。安く仕入れて、安いコストでお客様に提供する。先にも申し上げましたが、何より安くすることで、お客様にとっても身近な工具として気軽に使ってもらうことができる、それが低価格を追求するいちばんの理由です。

Q:協働ロボットJAKAが強いアプリケーションを教えてください。

 業種的に言いますと、まずグローバルでは自動車産業のアプリケーションに強みを持っています。中国国内でも日本でも、海外も含めた日系企業、中国のローカルの自動車産業などです。その中で、販売台数から見ると組み付けのアプリケーション、特に車のライトの組み付け工程でよく使われています。

 その他にも、中国国内の自動車産業ではトランスミッションの洗浄ライン、車のシャフト部分、ネジのボルト締め、そういった工程で多く使われています。

 また最近では、中国内のBYDのEV自動車の電池工程に多く導入されています。JAKAは、中国内では最大手となる新エネルギーの電池メーカーと戦略パートナーの契約を結んでいます。EV関係にはこれからも注力していく予定です。

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