AMR（自律走行搬送ロボット モバイルロボットとほぼ同義）は様々な現場の搬送作業自動化で活躍する、次世代のAGVともいわれています。
しかしながら、その効果的な活用のためには、用途に合ったトップモジュール選定が鍵を握っていることはあまり議論されていません。AMRとトップモジュールの併用により、さまざまなアプリケーションに対応することが可能です。
本ブログシリーズでは、これまでのブログシリーズで今後の加速度的な普及を予想したAMR、そのAMRと用途に応じた最適なトップモジュールの組み合わせによるさまざまなソリューション、実際の導入事例など、当社が販売代理店を務めるAMR、MiRとともに多角的にご紹介していきます。
コンベヤトップモジュールソリューション
第２回目となる今回は、コンベヤトップモジュールを活用したシステムソリューションをご紹介します。
コンベヤトップモジュールは主に、コンベヤにワークを投入する、コンベヤからのワーク搬出を受け取るなど、コンベヤラインをつなぐオペレーションに使用されています。そのため、コンベヤトップモジュールを使用したシステムソリューションは、大規模な工場やフロアの自動化に最適です。
特定の作業の自動化のために導入を検討される理由
このトップモジュールは、次のような特定の作業の自動化のために導入を検討するエンドユーザーが非常に多いという特徴があります。
・コンベヤから流れてきた荷物を人が受け取り、次の場所（装置）に運ぶ
・ストッカーで保管してあるワークを人が取り出し、コンベヤまで運んで流す
これらの業務が存在する現場は皆様の周りにも多いのではないでしょうか。
同様の作業であれば、AGVや天井搬送装置で自動化できる場合もあります。
しかしながら、生産フロアのレイアウト上、搬送に使用する通路を人と共有している場合や、少量多品種生産で製造工程が品種により変わることで搬送物の種類が多いなどの場合はAGVや天井搬送装置では対応しきれません。
このような現場にAMRが採用されています。
当社が対応した部品搬送ソリューションの構成例
導入にあたり、よく課題になる部分とその解決方法
装置間の複雑な搬送業務の自動化において、決め打ちで選ばれることの多いコンベヤトップモジュールですが、導入にあたりハードルとなる要素もあります。
・コンベヤ間の高さ・回転スピードなどの仕様が異なる場合の対応
つなぎたいコンベヤ同士の仕様が異なる場合、トップモジュール側でそれぞれに合わせる調整が必要になります。こうした時は、インバーターやリフトなどを追加することで解決できます。
・安全面の問題
コンベヤの両サイドにガードをつける、前後に自動で上下するガードを設置するなど、基本的には設備としてのコンベヤと安全面における対応は同様です。
しかしトップモジュールとしてのコンベヤは、通常の安全方策に加えてAMRが非常停止した際の対応をきちんと検討することが必要です。
AMRが非常停止をした際にトップモジュールのコンベヤも同時に停止という単純な形では、安全性を確保できません。状況に合わせて最も安全な形でコンベヤ側も停止する方法が求められます。
MiR導入事例
それでは、コンベヤトップモジュールが、具体的にどのような現場で活用されているか、ご紹介します。
・24時間稼働の生産フロアでコンベヤベルトの代替としてAMRを導入した現場
多品種少量生産を要求される企業では、工場の頻繁なレイアウト変更が発生します。
生産ラインとロボットセル間の搬送にコンベヤトップモジュールを搭載したAMRを採用することにより、レイアウト変更時のダウンタイムを削減した事例です。
・多階建て施設の材料輸送の完全自動化
トップモジュールとしてローラコンベヤを載せたMiR100が、生産セル間をつなぐコンベヤの役割を担い、材料の回収と供給、ドアの開閉、リフトの制御を自律的に行い、工場内を自在に動き回っています。
そして、大幅な時間の節約とマテリアルハンドリングのエラー削減を実現し、施設全体の生産性向上に貢献しています。
コンベヤトップモジュールを活用したシステムソリューション、いかがでしたでしょうか。今後も引き続きAMRの様々なシステムソリューションにつきましてご紹介してまいります。
本ブログをお読みいただき、AMRに関して、もしくはAMRに最適なトップモジュールに関してお悩みの方はお気軽にご相談ください。
それではまた次回。引き続き、よろしくお願いします。
