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「AMR 自律走行型(協働)搬送ロボットの導入にかかるコストは?」

By 協働ロボット.com 運営担当

AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)の導入を検討し始めたら、まず押さえておきたいのは予算や費用になるかと思います。自社に最適なロボットを導入するために、あらかじめ予算を把握しておくことが大切です。

1.搬送ロボット活用に必要なシステム構成を知っておこう

AMR(自律走行搬送ロボット)を単体購入しても動かない?!

活用には「システム化」が必要不可欠です。はじめて搬送ロボットや産業用ロボットの導入を検討している方に意外と多いのが、ロボット単体の購入費用だけで導入予算を計画している場合です。搬送ロボットや産業用ロボットは基本的に、それ単体だけでは動かすことはできません。ロボットの他にライン設計や、各種センサや安全方策などの周辺設備の準備、動作させるためのプログラミングやティーチングといった諸々の作業が必要になります。

日本市場でも最近多くのAMR(自律走行搬送ロボット)が販売されています。ロボット単体は価格が安く選定できたが、システム構築が終わってみたらロボット本体より付帯作業費用のが多くかかったというケースもお困り事としてお聞きする機会が増えております。

「システム化」にかかるトータル費用を比較してロボット選定を行うことが、成功の鍵となります。

 

2.導入までのステップ

当社が販売するMiR(Mobile Industrial Robot)を例に導入のステップをご紹介します。


【導入までのステップ】

(1)システム化要求仕様のヒアリング

(2)搬送ロボットの選定とトップモジュール構想設計 ⇒ システム化提案
   上位システムとの連携が必要場合は、上位システムのインタフェース設計

(3)トップモジュール詳細設計

(4)搬送ロボットシステムの組立(トップモジュール、カートなどの製造組立)⇒ 初期設定

(5)現地納入、マップ作成、走行ジョブ作成、走行調整

(6)システム稼働

MiRの場合、(1)システム化要求のヒアリングを開始して、(6)システム稼働開始までを平均的には、3カ月程度の期間を要しています。

当社では(1)~(4)をシステムインテグレーション費用として、(5)~(6)を現地システム調整費用として対応させていただいております。

※なお、自立走行搬送ロボット「MiR」の製品詳細については、弊社商品紹介サイトをご参照ください。

MiR製品ラインナップ

 MiR 製品サイト http://www.idec-fs.com/mir/

 

3.導入にかかる費用

当社が販売するMiR(Mobile Industrial Robot)を例に導入にかかる費用イメージをご紹介します。

当社の実績では、ここ最近は自動車部品製造工場、住宅設備機器製造メーカー、半導体・電子部品製造メーカーなど、モノづくり工場への導入支援が増えています。

 

(1)標準的な機器構成

これらの工場への導入事例で多くの場合、初期導入は、AMR(搬送)ロボット4台〜5台程度でシステムを構築するケースが多く見られます。MiRの特徴としてAMRを増車するなどのシステム拡張がとても簡単にできるというのも、4〜5台のミニマム構成でスタートされるケースが多い理由かと思います。

移動ロボットを効率的に活用するために、移動式のカートを牽引して搬送するシステム化を例に標準機器構成をご紹介します。

カート活用システムは、カート(台車)の下に潜り込み、ドッキングすることで積載物をカートごと搬送します。棚、からくり、パレット等、カート上には様々なものを自由に載せることができるため、どのような用途にも対応できる最も柔軟なトップモジュールです。

 

roeq-systemカート活用システムの例

 

【標準的な機器構成(搬送ロボットシステム)】

・AMR(搬送)ロボット × 4台

・トップモジュール(カート牽引機能) × 4台

・移動式カート × 10台

・自動充電器 × 1台

・運行管理システム(Fleet) × 1台

・システムインテグレーション費用(設計、組立)

 ⇒ 上記構成の場合、機器費用として、2,500万円~3,000万円程度の構成となります。

 

(2)システム導入にかかる費用

AMRシステムの導入には、搬送ロボットシステムなどのハードウェア費用の他に、現地立上げ調整費用が必要になります。

この現地立上げ調整費用(システムアップ費用)が、メーカーによっては1,000万円程度かかるケースがあるようです。これは、システムエンジニア複数人が、お客様工場へ出張し、数日かけて複雑なシステム構成を現地で設定調整する必要があるからかと思います。

弊社が販売するMiRは、この現地調整費用を低く抑えることができるという大きな利点があります

現地立上げ時に必要なマップ作成、走行ジョブ作成などのオペレーションは、GUIインタフェースでとても扱いやすいため、エンドユーザ様がご自身でセットアップされるケースがほとんどです。

私たちSIerが上記カートシステムのセットアップまで担当、現場導入はお客様という切り分けにより、現場導入にかかる委託費用を抑えられるという、他のAMRメーカーとは違う使い易さがあります。

当社では、お客様のご要望によっては、スーパーパイザーを派遣して現地立上げ支援を行い、現地調整はお客様ご自身で行うという対応もいたしております。

 

AMR導入を検討の際は、ハードウェア単体の費用だけでなく、システム構築にかかるトータル費用を比較し検討いただくことが必要です。

 

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

ブログカテゴリ: 製品<MiR>

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