協働ロボットブログ運営担当の鈴木です。ロボットSIer活用の基礎知識と題して、私たちのようなロボットSIerという役割がどのように皆様のビジネスと関わっているのか、できるだけわかりやすくご説明していきたいと思います。第5回は、「ロボットSierの仕事〜ロボットシステム構築の流れ」です。おつきあい、よろしくお願いします。
ロボットSier(システムインテグレータ)は一体どんな仕事をしているのでしょう。今回は一般的な仕事の流れをご紹介します。
一般的に協働ロボットSIer(システムインテグレータ)は、以前にも書きましたが、ロボットメーカーとユーザの間に入り、ロボットシステム構築の役割を担います。
ロボットシステム構築までの流れは、経産省が2017年に策定したプロセス標準(RIPS)に照らし合わせますと、おおよそ、コンサルティングに始まり、システムの設計、製作、引き渡しまで、以下のようになります。
(1)ユーザの要求仕様確認
(2)ロボットシステム構想の検討 (ロボットの選定、全体構成図とレイアウト設計)
(3)ロボットシステム仕様書の作成 (ユーザの承認、受注)
(4)詳細設計(機械、電気、プログラム)
(5)製作、試験
(6)ユーザ先へ据付、試運転、調整
※プロセス標準(RIPS)ドキュメントマップ参照
特に入り口となるユーザの要求仕様確認は、その後のプロセスを大きく左右することになりますので、確認漏れがないように進めることが重要で、かなりの労力を要するところです。
繰り返しになりますが、ロボットは本体だけを購入しただけでは動作せず、製造現場で実際に稼働させ成果をあげるために、私たちは特に次のようなポイントに注力しています。
(1)ロボットを導入する現場、用途に合ったロボットの選択
(2)作業に必要なハンドや追加デバイス(センサーや画像処理システムなど)のロボット本体との組み合わせ
(3)ロボット導入に応じた製造ラインの見直し(再設計)
(4)人-ロボット協調安全等による人の安全確保
すべての製造現場には固有の課題があり、それらの課題を解決できて初めて、実際に有効な協調安全ロボットシステムとして運用できるのです。さらに言えば、導入だけでなく、その後の運用までを寄り添ってサポートできなければ、真のお客様満足を提供することはできない、そのように考えています。
ロボットSIerの選定がいかに重要であるか、ご理解いただけたかと思います。
なお円滑な協働ロボットシステム構築を進めるために、当社ではユーザ側でのRFPという仕様書の作成をお勧めしています。
次回はそのRFPについてお話ししたいと思います。
では次回をお楽しみに。