協働ロボットBLOG

AMRの使い勝手を向上させる!トップモジュール徹底解説

第3回:アーム把持によるカート牽引型トップモジュールソリューション

By 協働ロボット.com 運営担当

AMR(自律走行搬送ロボット モバイルロボットとほぼ同義)は様々な現場の搬送作業自動化で活躍する、次世代のAGVともいわれています。

しかしながら、その効果的な活用のためには、用途に合ったトップモジュール選定が鍵を握っていることはあまり議論されていません。AMRとトップモジュールの併用により、さまざまなアプリケーションに対応することが可能です。

本ブログシリーズでは、これまでのブログシリーズで今後の加速度的な普及を予想したAMR、そのAMRと用途に応じた最適なトップモジュールの組み合わせによるさまざまなソリューション、実際の導入事例など、当社が販売代理店を務めるAMR、MiRとともに多角的にご紹介していきます。

 

アーム(フック)把持によるカート牽引型トップモジュールソリューション

第3回目となる今回は、「アーム(フック)把持によるカート牽引型のトップモジュール」を使用したシステムソリューションについてご紹介します。

「アーム(フック)把持によるカート牽引型のトップモジュール」は、AMRのトップモジュールとして取り付けられたアーム(フック)によってカートを掴む方法で牽引します。

一般的な製造業の工場内において、シンプルな部品の搬送のほか、加工機への材料搬送旋盤加工機から出たごみの回収など工程間搬送全般で活躍します。

mir-casestudy-4

 

現場の台車をそのまま活用できるというメリット

カートを牽引して搬送をするといった部分で、本ブログシリーズの第1回でご紹介した「潜り込みカート牽引型のトップモジュール」と似通っていますが、規格さえ合えば現場で使用している既存のカートをそのまま使用できるという点、カートにAMRが潜り込む分の高さが不要である点が異なります。

規格が合わない場合も、金具を追加する、車輪を取り換えるなどの部分的な改造によって牽引できるようになる場合もあります。

元々現場で使っている台車(カート)をほぼそのまま使用できるメリットは大きいようで、この点に惹かれて導入検討を始める方が業界問わず多い傾向があります。

その他、規格内であれば、単一の形のカートではなく、大小さまざまなカートを牽引できることも魅力のひとつとして挙げられます。

blog_mir-3

 

導入にあたり、よく課題となる部分

工程間の搬送業務の自動化において、導入にあたりハードルとなる要素もあります。

・認識範囲の制限

トップモジュールの仕組みの都合上、AMRの後ろにカートが並ぶため、牽引中はレーザースキャナ等の機器による、後方環境の認識が難しくなります。

そのため、実際の走行環境を想定してリスクアセスメントをしっかりと行い、具体的な運用方法まで事前に検討しておくことが必要です。


・スペースの問題

「アーム(フック)把持によるカート牽引型のトップモジュール」は、高さについては「潜り込みカート牽引型のトップモジュール」よりは抑えられますが、縦(奥行)方向は、アームとカートの分長くなります。

そのため、他の種類のトップモジュールよりも走行時にスペースが広めに必要になります。

現場のスペースは足りているのか、カートを置いておくポジションの確保はできるのかなど、事前に確認しておくべき事項があります。

従って、事前に走行テストを行うこと運用についてシステムインテグレータときちんと相談しておくことが重要になります。

 

MiR導入事例

それでは具体的にどのような現場で活用されているか、ご紹介します。

 

・資材積載カートをAMRで自律的に牽引、倉庫フロアから一時保管フロアへの人手で行っていた資材搬送を自動化

solution_mir-cart-1

はじめに、当社が手掛けた食品メーカーにおいて1台のAMRを導入した事例です。

作業開始時と終了後に人手で行っていた資材を載せた台車の運搬をAMRに任せることで、これまで運搬に掛かっていた作業者の時間をほぼすべて作業にあてられるようになりました。

制御盤を介してエレベーターと連携することで、AMRは2フロア間を自由に行き来しています。

こちらの事例の詳細は、当社のコーポレートサイト内のソリューション事例で紹介していますので、ぜひご覧ください。

 >フロア間の資材搬送自動化ソリューション

 

・QRコードをAMRが認識し、適切な場所へカートを牽引


自動車部品製造工場において3台のAMRを導入した事例です。

従業員の指示によってAMRは動き出し、QRコードによってカートの種類を認識し、適切な場所へカートを牽引します。

組み立てラインと倉庫の間を、1台につき1日あたり平均11kmも移動します。

また、移動中のAMRは音を発することで周囲に居場所を知らせ、安全性を確保しています。

・AMRが大小さまざまなカートを牽引、完成品の搬送を自動化


臨床検査用装置の製造工場において、材料搬送、組立完了後の完成品の搬送の自動化のためにMiR 200 Hookを導入した事例です。

材料を積載したカートや完成品を載せた台車などの10を超える種類のカートを搬送しています。これにより、従業員の安全、製品のクオリティ、動的な生産環境の確保を実現しています。

 

「アーム(フック)把持によるカート牽引型のトップモジュール」を使用したシステムソリューション、いかがでしたでしょうか。
今後も引き続きAMRの様々なシステムソリューションにつきましてご紹介してまいります。

本ブログをお読みいただき、AMRに関して、もしくはAMRに最適なトップモジュールに関してお悩みの方はお気軽にご相談ください。

それではまた次回。引き続き、よろしくお願いします。

>当社MiR製品サイトはこちら

ブログカテゴリ: AMRの使い勝手を向上させる!トップモジュール徹底解説

ブログカテゴリ一覧

技術者・坂井のロボットシミュレーター「RoboDK」徹底活用術
ここまで変わった!構内搬送の新常識
ロボットSIerの基礎知識
協働ロボットと安全
banner-blog-1-column-news
協働ロボットのあんなことこんなこと
banner_blog_1-column-sales-person